ステップ1:課題の洗い出し
MAツールは有益なものですが、むやみに採用するのは良くありません。
”何のために導入するのか明確にしておくこと”がポイントになります。
課題を明らかにせずに導入すると、少しも使いどころがないような状況になりかねません。
そのため、まずは自社が取り組んでいるマーケティングを詳しく把握することから始めましょう。
企業によって抱えている課題は異なるため、他社の事例を参考にするだけでは不十分です。
自社とよく似ているように思えても、内部的な事情は大きく異なっていることも少なくありません。
もちろん、それらを知識として仕入れておくのは悪い話ではありません。
しかし、あくまでも参考程度に留め、自社のケースとは切り離して考えることが必要です。
混同しそうなリスクがあるなら、あえて他社の事例には触れないという選択肢もあります。
自社しか抱えていない課題があることも想定し、包括的な視野の広さを持って臨むことが重要です。
深いレベルで自社に関する分析を実施しなければなりません。
たとえば、顧客が一向に増えないことや商談が成功しないことなどが挙げられます。
いろいろなパターンがありますが、傾向としては営業活動の効率の低さが課題になりやすいです。
労働人口の減少という社会問題を受け、人員不足を補うために少しでも効率を上げようとする動きが見られます。
ほぼすべての企業が、そういった要望を持っているといっても過言ではありません。
このような営業寄りの内容が中心になりやすいですが、もっと経営寄りの内容を掲げても大丈夫です。
なぜなら、マーケティングとは営業専用の概念ではないからです。
あらゆる面での収益化を想定しており、そのためには経営の領域に踏み込むことも十分にありえます。
自分のポジションを度外視して、総合的な視点で何が必須なのか判定しましょう。
ですから、自分の価値観や固定観念で線引きをするのは間違いです。
そもそも線引き自体が意味をなさないため、あくまでも課題を見つける姿勢でアプローチすることが欠かせません。
課題の抽出
すなわち、そういった課題をしっかり抽出することからスタートすることになります。
これを実施するのは顧客のニーズを把握するといった意味合いもあります。
ここは重要なプロセスなので、想定外に時間がかかることもあるでしょう。
本来はニーズさえ分かっていれば、そこに向けて注力していく体制を構築できます。
しかし、実際にはニーズを浮き彫りにするのは困難です。
たいていの場合はあいまいな状態になっており、厳密に把握するには大々的にヒアリングするしかりありません。
ただし、それは現実的ではないため、代わりに実施している作業として、課題を明確にすることが挙げられます。
そう言われても、課題を見つけることにどのような意味があるのか理解できない人もいるでしょう。
少なくともそのまま放置するのが良くないことは誰でも分かります。
落ち着いて考えるだけの余裕を持てませんし、マーケティングの発展に繋がることも期待できません。
戦略の再検討とPDCAサイクル
こういったリスクを抱えてたまま挑戦するのは得策ではありません。
なぜなら、最初にミスが混入すると、PDCAサイクルもうまく回せなくなるからです。
この段階ではまだスピードは重要ではないため、いったん落ち着いて戦略を再検討することが求められます。
課題があるということは、それを解消したいというニーズも存在しています。
上記の例でいうと、顧客の数を増やしたり商談の成功率を上げたりすることです。
具体的な方法が分からなくても、これらが目指される理由は誰でも理解できるでしょう。
これさえ知っていれば、MAツールにおける課題の設定はずいぶんとハードルが低くなります。
ですから、時間がかかりそうでも、最初に実践しておくことが基本です。
そうすれば、どのような変更があっても迅速に対応しやすくなります。
それが難しいと感じるなら、課題のリストアップに見当違いな点が紛れ込んでいるのでしょう。
リストアップの際は、優先度を意識しながら並べていくことが必須です。
無作為に並べていると、効果を最大限に高めることは不可能になっていしまいます。
もう一度一つひとつの意味をよく考えて、整合性がどの程度あるのか慎重に判断しなければなりません。
課題とニーズの整合性が大切
課題とニーズは表裏一体と認識することが、MAツールを使ううえでの前提条件になります。
このステップを省略すると、適切な運用はその時点で不可能になることを覚えておきましょう。
あらゆる面で整合性をとり、問題がない範囲で具体的なターゲットを定めます。
ターゲットの選定を失敗すると、リソースの注ぎ方にムラができやすいです。
よって、MAツールで何を対象にするのか十分に検証してください。
そのような作業はマーケティングの専門家に任せるべきだと思う人もいるでしょう。
確かに中心になるのはマーケティングの部門ですが、それ以外の部門の人たちも関係するのが一般的です。
営業部門は密接に関係すしますし、セールスに関する課題を常に抱えています。
MAを導入すなら、それらの課題に与える影響もしっかり見極めなければなりません。
たいていの場合は営業パーソンが独自の判断で動けますが、マーケティングを尊重するなら別の手段が適切なケースもあります。
深層を検証する
とはいえ、課題が不明瞭なケースも意外と多く、この場合はそれを検証することが基本的な業務になります。
セールスの活動に関係がある部署をすべて洗い出し、どのような点に苦労しているのかヒアリングすることが大事です。
ヒアリングの際は、問題点について詳細を確認しなければなりません。
たいていのケースにおいて、表面的な事柄しか分からない状態になっています。
そうではなく、マーケティングの深層において、何がネックになっているのか検証しなければなりません。
そして、その課題を解決するためにMAツールを使用します。
とはいえ、いきなり使用を始めるのは不適切であり、実際には課題の性質をしっかり見極めることが条件になります。
さらに、MAツールは万能でないことも認識することが求められます。
どのような種類の業務に適用できるのか判断し、それに最適なMAツールを割り出すことも必要です。
ステップ2:コンテンツ作成
課題を明確にしたら、その解決に向けてコンテンツを作っていくことになります。
このプロセスはとても種類が方法であり、企業によって選択する項目はさまざまです。
最もスタンダードなのはメールであり、わずか数十文字のテキストだけで完成させるケースもあるぐらいです。
ただし、これで解決できるのは、とてもシンプルな課題だけなので注意しましょう。
LPへの表示まで視野に入れると少し複雑になりますが、それでも1日足らずで完成する可能性が高いです。
もちろんコンテンツが複雑だからといって、必ずしも効果が高いわけではありません。
取り組むうえで重要なのは、あくまでも課題と解決法が密接に合致していることです。
見込み客の存在を常に意識しながら、それらを獲得するためのアプローチを心がける必要があります。
そのための基本になるが検討の度合いをしっかり上げていくことです。
そして、ニーズを考慮して違和感のないコンテンツを確立しなければなりません。
認知の度合によって、情報の量や質を分ける
そう言われても、どのような情報を提供すべきか分からない担当者もいます。
この場合は送り手と受け手の関係を強く意識することがポイントです。
一口に顧客といっても、自社との関係のパターンは多岐にわたります。
初めて商品を購入してもらったというケースもあるでしょう。
この場合は、いきなり深い情報を提供しても読んでもらえない可能性があります。
認知の度合いによって、情報の量や質をきちんと分けていくことが求められます。
そういう意味では、まず基本的な商品の情報を提供するだけで十分です。
商品を比較した表などは、情報量が多すぎるので避けたほう無難です。
自社への愛着が十分でないことが予想されるため、それらを読んでもらえる見込みはまだありません。
それに対して、すでに自社の商品を何度も購入している顧客なら、そういった表を送ることには意味があります。
次はどの商品を買うべきか考えてもらえるからです。
顧客を複数のカテゴリに分ける
分かりにくければ、顧客を複数のカテゴリに分けることから始めましょう。
表が不要なのは入門者であり、必要なのは中級者や上級者です。
もちろん入門者でも表を求める顧客が皆無とは限りません。
しかし、要求に応じて対応していけばよく、最初の段階では多数派に合わせて準備することが望ましいです。
具体的には検討段階に達している場合は、自社だけの情報を与えても高い効果を得られません。
他社の商品と比較した情報も交えて訴求することで、購買に近づく刺激をうまく与えられます。
どのフェースに対してアプローチするのか判断が必須です。
これが不明なうちは、まだコンテンツの作成に着手しないほうが良いでしょう。
一方、アプローチが自分の中で固まっているなら、実際にコンテンツを作っていくのが一番です。
MAツールの機能は絞り込んで選択する
多角的なコンテンツを作ることによって、MAツールの拡張性はますます広がっていきます。
だからといって、やみくもにバリエーションを増やすのは不適切です。
使用しないコンテンツが充実していても、MAツールの使い勝手が悪くなるだけです。
それよりも最低限に絞ったほうが利便性の高さが際立つようになります。
MAツールは多機能という印象を持たれがちですが、その分だけ費用は高めに設定されていることが多いです。
そのような意味でも、機能を絞り込んで選択することが必須の条件になります。
顧客の行動を解析する際は、できるだけ不確定な要素を排除しなければなりません。
それらが混入したままだと、計算結果も信頼性が低いものになってしまいます。
別の見方をすると、確定的な要素だけを使用するなら、実用的な信頼性を誇る仕上がりになるのです。
顧客管理に特化したMAツール
実際のところ、顧客管理に特化しているタイプのMAツールも存在します。
見込み客の一元管理が主な目的であり、さまざまな情報をそこに格納していけます。
セミナーなどに参加したときに名刺を受け取ることは多いでしょう。
接点がないので不要だと思っても、ビジネスチャンスが1%でも残っていると、処分できないという人はたくさんいます。
だからといって、ずっと残していると保管スペースを圧迫していくことになりかねません。
そこに目を付けて、受け取った名刺をデジタル化するサービスも多くなりました。
MAツールがあれば、わざわざ他社に変換を依頼する必要はありません。
さまざまな経路で手にした名刺をすべて取り込めます。
もちろん名刺だけでなく、他の資料なども簡単に電子化が可能です。
同じ企業の人をまとめるなど、電子データとして制御することも難しくありません。
メール配信機能の進化
いずれにしても、これまでのように紙で保存する必要がなくなります。
これは電子帳簿保存法の改正にも対応できる機能であり、MAツールのコンテンツとして主力になれるものです。
そこから一歩踏み込んだ場合、たいていはメールの配信機能を設けることになります。
ただし、普通のメールソフトのように送るわけではありません。
さまざまなフィルタ機能を実装し、条件ごとに送信先を分類する機能も備わっています。
しかも、メール開封の有無を判定できる機能もあり、それにはHTMLメールが採用されることも多いです。
その他に人気があるのは、ホームページを作れる機能で、いろいろな趣旨で作成できることが魅力となっています。
特に遷移を前提として作れることが重要であり、セミナーのサイトなどからの流入を狙えます。
そこと問い合わせフォームを結びつけることで、顧客はスムーズな質問が可能になるでしょう。
機能の拡張と制限
また、PDCAサイクルにも関係しますが、アクセス解析やスコアリングの機能を付けることも一般的です。
このようにコンテンツが拡充するにしたがって、次のシナリオ設計の精度を上げられるようになります。
ただし、焦ってそのレベルに到達させなくても大丈夫です。
前述のように基本的なコンテンツだけで仕上げ、状況に応じて拡張していくことも可能だからです。
多機能なMAツールを使っている企業でも、最初は機能を制限して使っていたケースも少なくありません。
コンテンツを増やしていけば、営業支援ツールとの連携も視野に入れられるようになります。
したがって、現状のコンテンツだけにこだわらず、将来の展開を見据えて選択することも不可欠です。
ステップ3:シナリオ設計
コンテンツが完成しても、それだけでMAツールを導入できるわけではありません。
リードを前提としたシナリオを設計しなければなりません。
シナリオが存在しないと、コンテンツは概念上に散在するだけの状態になってしまいます。
それを回避するには、見込み客ごとに最適なアプローチを検討しなければなりません。
ただし、同じ見込み客であっても、フェーズごとに必要な作業は異なります。
そこで重要になるのはプロセスを細分化しておき、それぞれに関するアプローチを割り出すことです。
同じアプローチでも、フェーズによって得られる効果は異なります。
最初のフェーズに有効であっても、以降はほとんど効果がないことも珍しくありません。
いずれにせよ、シナリオの設計によって成果が大きく変わってきます。
シナリオが複雑だと顧客の行動に合致しにくいので、最初は目的を分けたうえでシンプルな構成を心がけると良いでしょう。
カテゴリごとに設計していくことがポイント
いくつかのカテゴリごとに設計していくこともポイントになります。
最も基本的なカテゴリはBtoBとBtoCであり、どちらのMAツールも積極的に活用されているのが実情です。
両者は決裁者に関する違いが大きいため、その違いを十分に把握しなければなりません。
BtoBに関しては、担当者がリサーチしてから決済者が承認します。
つまり、担当者と決裁者が別にいるという前提でストーリーを組んでください。
それに対してBtoCは両者が同一人物となっています。
したがって、BtoBのストーリーしか用意していないと、MAツールは正しく機能しないので注意してください。
BtoCは消費者が顧客となるため、商品の種類や数もすべて自分で決めることになります。
つまり、担当者や決裁者といった概念自体が存在しないというわけです。
このようにシナリオの内容が違っている場合、たいていは期間についても差があります。
BtoBは前述のフローを通すため、購入までに数カ月かかることも珍しくありません。
稟議書がなかなか通らない場合は、1年ほど余分にかかってしまうこともよくあります。
他の部門まで巻き込むなど、承認までの流れが複雑化しやすいです。
一方、BtoCならば基本的に自分の意思だけで決定できるので、1日も経たずに決定できます。
家や車などは迷うことはありますが、それでも数日で決まることが一般的です。
このような期間の違いも踏まえておくと、その分だけシナリオの間隔を決定しやすくなります。
これはあくまでもBtoBとBtoCというカテゴリに関する話です。
しかし、他のカテゴリでも内容と期間が大切であることは変わりません。
データ量も重要な検討材料になる
さらに、データ量もMAツールの導入における重要な検討材料です。
ネットワークや保存容量の面では問題がなくても、内部的な処理に関して支障が生じる可能性があります。
代表的なのは見込み客が多いケースであり、その場合はリードの数も膨大になってしまいます。
アクセス数も著しく多くなるため、それを考慮していない設計では対処しきれません。
MAツールを選定する際は、リード数やデータ量の面で問題ないことを確かめましょう。
シナリオの設計というと、長くて複雑なストーリーが必要と思おう人もいます。
しかし前述のように、長くなるほどMAツールの実用性は落ちやすくなります。
それゆえ、できるだけ単純化することを念頭に置き、コンテンツとの関係性をよく考えながら検証しましょう。
いきなり成功させるのは難しいので、最初に大まかな骨組みを用意して、状況を見ながら調整していくのが定番です。
たとえば、接点を持っていない顧客がいる場合、確固たる信頼関係を気付くのは容易ではありません。
大きな労力がかかるので、自社が持っているデータを駆使して攻略することになります。
そのようなシナリオに沿って、フェーズごとにコンテンツを設定することが重要です。
言い換えると、そのシナリオを無視していると、顧客の開拓に追われることになるでしょう。
適切なシナリオに従って機能するなら、既存顧客の対応をしながら開拓していく余裕を持てます。
このように同じコンテンツでも、それを繋ぐシナリオによって成果は大きく異なります。
そこで重要になるのは、導入する段階で使用に至る流れも十分にイメージすることです。
もちろん導入してからも、シナリオを変更するのは不可能ではありません。
しかし、いったん使用を中止することになるため、それによってマーケティングが滞ることもありえます。
したがって、マーケティングを円滑に実施するには、設計の段階で不具合を判明させることも大事です。
シミュレーションを実施したうえで、フローが止まるところがあれば、それはシナリオかコンテンツが適切ではありません。
どちらに原因があるのか検証したうえで、改善するスタンスで臨むことが求められます。
ただし、そうしても判明しない場合もあるので、次善の策を用意しておくこともポイントになります。
そう言われると、2種類のMAツールが必要だと思う人もいるでしょう。
しかし、そうなると保守費用が増えますし、覚えることも多くなりやすいです。
このようなリスクを回避したいなら、1種類のMAツールを用意して異なるアレンジを加えます。
コンテンツが同じでもシナリオを別にすれば、異なる用途への対応もスムーズになりやすいです。
運用にかかる費用を抑えるうえで、シナリオの設計は重要な要素になります。
シナリオが非効率なものなら、導入してから発生する費用が大きくなりやすいです。
月額の使用料は変わりませんが、こなせるステップが少ないので、コストパフォーマンスが悪くなりやすいです。
長期的に運用していくうえで大きな差が出てきます。
もう1つの解決策として、コンテンツを削減するという方法もあります。
しかし、こちらに関しては機能面が著しく悪くなりやすいことが問題です。
たとえば、メールに関するコンテンツを削除すると、この方法を前提としたマーケティングは不可能になってしまいます。
その分だけ顧客獲得の可能性も小さくなるので、安易に削らないように注意しなければなりません。
コンテンツの必要性を十分に考慮したうえで、シナリオを改良するのが現実的な対処法です。
ステップ4:PDCAサイクルを回す
シナリオの設計が終わって導入したら、いよいよ運用をスタートします。
とはいえ、最初から最適な形で使っていけるわけではありません。
特に問題になりやすいのは、シナリオにそった挙動になっていないことです。
適切なフローで流れているのか確認して、そうなっていないなら改善していく必要があります。
その場合はシナリオだけでなく、コンテンツに関しても不備がないか検証してください。
MAツールを運用するうえで、当面の間はテストの期間も兼ねているというわけです。
運用状況をしっかり確認しながら、再構築する計画を立てなければなりません。
管理と品質の管理業務において、効率化を進めるスタンスが重要になります。
その繰り返しによってMAツールは実用的なものに仕上がっていきます。
計画を始点として改善に至るまでのフローを1つのサイクルと見なします。
この反復だけで終わらせがちですが、その後に実施する評価も忘れてはいけません。
評価がなければ、改善につながるフィードバックは完成しないからです。
MAツールを導入する第一ステップで課題の洗い出しを行いました。
それが解決できていないなら、MAツールを導入した目標は達成できていません。
何度もループさせて評価を繰り返すことで、成果をその目標に近づけていくことが大切です。
この反復によって、MAツールは著しい発展を遂げることになるでしょう。
この工程を主に担当するのはマーケティング部門ですが、他の部門にも協力してもらったほうが効率的です。
なぜなら、マーケティングの結果は営業の売上に帰結するからです。
そこからのデータも入手できれば、効果の判定をスムーズに行いやすくなります。
自社の課題をどれだけ改善できるかを吟味する
これらの事情を考慮したうえで、自社の課題をどれだけ改善できるのか吟味しましょう。
導入によって、どのように課題が解消されるのかイメージしてください。
そのイメージどおりになっているか丁寧に検証することが大切です。
何度も実施することで、マーケティングが改善していきます。
すぐに終わらせないように気を付け、改善点がなくなるまで継続しなければなりません。
MAツールを使っていて効果がないと感じたら、この検証が不十分である可能性が高いです。
このようなPDCAサイクルを回すのは面倒だと思う人もいるでしょう。
しかし、メリットもあるので根気よく取り組んでいくことが望ましいです。
たとえば、この繰り返しによって、MAツールに対する理解が深まっていきます。
ツールの使い方に慣れるだけでなく、どのような課題があるのか自覚するようになるのです。
どうすれば目標を達成できるのか考え、主体的に行動できるようになります。
組織における自分の役割が分かりやすいこともポイントです。
マーケティングという業務の本質を理解しやすくなり、収益の最大化を実現するための施策を考えられます。
そのためにはフィードバックの正確性を高めなければなりません。
MAツールを使う人は多くても、評価までしっかり行ってくれるケースは多くありません。
やはりレポートなどにまとめるのは面倒だからです。
そのような作業に時間をかけるぐらいなら、マーケティングの施策を考えたいという人が少なくありません。
そこでポイントになるのは、評価の仕組みをMAツールに盛り込んでおくことでです。
ツールを使った後に、ほぼ自動的に評価できるようにしましょう。
そういったアンケート機能を内部に備えているMAツールも存在します。
基本的には、評価の点数を選んで簡単なコメントを入力するだけなので、回答に1分もかかりません。
もちろん、そのアンケートの情報だけで十分に改善するのは困難です。
したがって、気になる評価があった場合、担当者に対してヒアリングを実施することになるでしょう。
しかし、回答の数が多くなれば、MAツールの現状がかなり分かりやすくなってきます。
たとえば、使用に時間がかかると答える人が多いなら、短縮できる仕組みを盛り込むことが不可欠です。
画面が見にくいという回答がたくさんあれば、インタフェースを変更する必要もあるでしょう。
こうしてPDCAサイクルを回していれば、自社にとって理想的な形に近づいていきます。
運用をスタートしたら、途中でバックアップをとることも忘れてはいけません。
前のバージョンに戻したいと感じることもよくあるからです。
ただし、逆の手順を辿ることでバックアップがなくても戻せます。
また、失敗から多くのことを学べるというメリットもあります。
コンテンツとシナリオが仕上がっているのに、成果が出ないと感じることもあるでしょう。
その場合は、コンテンツかシナリオに不備があると考えられます。
それを詳しく調べることで、自分の理解不足などが明らかになることも多いです。
つまり、MAツール自体の問題ではなく、自分に至らない点があったというわけです。
それが分かることで、マーケティングの実力が高まっていくことも期待できます。
失敗から学ぶ機会を得られるうでに、MAツールの完成度を高めていけます。
PDCAを回す理由
このように複数のメリットがあることも、PDCAサイクルを回す理由の一つです。
ただし、必ずしも改善できるわけではないことも理解しておきましょう。
もしマーケティングの題材自体が難解なものなら、MAツールが最高のパフォーマンスを発揮しても、すぐ解決に至るとは限りません。
この場合もやはり、PDCAサイクルを回して改善を狙うことが基本的なアプローチです。
MAツールは市販のパッケージソフトとは異なり、確定された仕様を持ってはいません。
このようにアレンジすることが前提となっており、そのプロセスを省略すると使い勝手が悪いままです。
PDCAサイクルを回すことを心がけ、完成形に近づける意識を持って取り組むようにしましょう。
もちろん改善に時間がかかってしまうケースもありますが、軌道に乗れば微調整で済むことがほとんどです。
導入してしばらく間は、準備期間と割り切ってPDCAサイクルを積極的に回します。
MAツールの提供元もサポートしてくれるので、分かりにくい点があれば質問してください。
契約の段階でそのようなサービスが付帯しているものを選んだほうが得策です。
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