プロセス1:リードジェネレーションとは見込み客を「獲得」すること
見込み客のリードを顧客に育てるプロセスの1つ、リードジェネレーションはまさに見込み客の獲得を指す言葉です。
文字通りリードジェネレーションは見込み客を生み出すという意味で、ここから顧客の育成に繋げていくことになります。
勿論、見込み客の獲得といっても簡単ではありませんし、そのやり方は様々でアプローチの流れも重要になってきます。
リードジェネレーションは集客と言い換えることもできますし、それだけ幅広くアプローチして将来の顧客を獲得することになるのは確かです。
特定の個人にアプローチする前の段階ですから、不特定多数かそれに近い対象をターゲットとして、アプローチを行うことが多いです。
このリードジェネレーションで得られた情報を元に、見込み客の育成、顧客へと育てることになります。
リードジェネレーションの重要性
リードジェネレーションの重要性については言うまでもなく、このプロセスが不十分だと顧客に育つ見込み客が得られないです。
そして、ただ単に見込み客を獲得するだけでなく、質の良い見込み客を集めることもまた重要です。
リードジェネレーションの基本はシナリオに始まり、このシナリオの設計が以降の計画を大きく左右します。
シナリオの設計を疎かにすると、リードジェネレーションの効率は下がり、見込み客の質も低くなってしまうので注意です。
効率を高め質も高いものにする為には、いかにこの段階でシナリオを練って完成度を高められるかが肝心です。
シナリオを設計する上で重要なのは、リードと潜在顧客の違いを理解することです。
リードは商品やサービスを知っている人のことで、つまり認識したり認知している人を指します。
そしてそれらに関心があって情報を集め始めている、そういう前提条件があります。
対する潜在顧客は商品、サービスについてまた十分な認識がなく、これから顧客になる可能性がある人のことです。
リードジェネレーションの目的は見込み客のリードの獲得にあるので、潜在顧客は対象にならないです。
リードは少なくとも購買、取引の前段階にあるのは間違いなく、購買行動に至るまでの距離は人によって様々ですが、購買の見込みや可能性があるのが基本条件です。
その為、リードジェネレーションでは購買に繋がるマーケティングを検討する必要があり、そのマーケティングに適したチャネルの選択もまた重要になってきます。
ターゲットの選定も不可欠ですし、効果を検証する為にテストも必要になるでしょう。
シナリオ設計
リードジェネレーションのシナリオ設計でポイントとなるのは、リード獲得に関わる部署における情報共有、共通の認識と自社にマッチするシナリオ構築です。
リード獲得は1部署で行うものではなく、複数の部署や関係者が関わって行われる取り組みです。
情報共有が不十分だったり、認識に齟齬があると連携が取れませんから、予めしっかりとすり合わせておきたいところです。
シナリオの構築自体も、自社に合わないやり方だとリードジェネレーションが上手くいかない原因になるので、無理のない設計を行いたいものです。
このように連携やすり合わせ、綿密な設計を経て行われるのがリードジェネレーションというわけです。
見込み客の獲得
見込み客の獲得にはオンラインとオフラインの手法があって、その種類も充実しています。
既存の多くのアプローチ手法が使えるのがリードジェネレーションの強みで、だからこそ適切なチャネルの選択が成功の鍵を握ります。
オンラインのリードジェネレーションの手法
オンラインのリードジェネレーションの手法には、自社Webサイトやオウンドメディア、広告にSNSと動画配信やオンラインセミナーなどがあります。
ホワイトペーパーの提供も手法の1つですから、検討の際の選択肢に加えることをおすすめします。
当然ながら見込み客の獲得は1つのやり方にこだわる必要がなく、複数を組み合わせるのもありです。
ちなみに、オンラインリードジェネレーションはマーケティングオートメーションを活用することが多いです。
具体的にはデータベースを活用して、自社に対し何らかのアクションを行った人にアプローチする形です。
ホワイトペーパーのダウンロード、オンラインセミナーの参加なら個人情報を提供してもらうことができるので、それを活用することが殆どとなるでしょう。
連絡先の取得ならメールマガジンの購読登録でも良いわけですし、問い合わせも個人情報を取得する切っ掛けになります。
いずれにしても、オンラインのリードジェネレーションは顧客の情報を取得しやすく、マーケティングオートメーションとの連携で次のステップに繋げられます。
複数のチャネルから個人情報を取得してデータベースを構築するのも定番ですし、自社サイトであればどのページを見たか、ページの移動を含めて行動が把握できます。
このような見込み客の発掘、獲得を行えるのがリードジェネレーションで、オンラインとの相性の良さが分かります。
オフラインのリードジェネレーションの手法
オフラインのリードジェネレーションは、セミナーや展示会、イベントでの自己紹介を始めとして、ダイレクトメールや旧来の媒体の活用が挙げられます。
セミナーの開催や展示会の出展などで得られる情報は、データベースに登録するなどデジタル化して利用するのが基本です。
イベントで名刺交換をすればそこから顧客情報が取得できますし、見込み客の獲得と育成に発展させることが可能となります。
ただ、オフラインはデータのデジタル化の手間やコストに加えて、オンラインと比べてタイムラグが生じるデメリットがあります。
これはリードジェネレーションに限られませんが、オフラインはそれだけでコストが掛かることに注意が必要です。
その分、目的に合っているか十分に確認することが大事ですし、コストに見合うと判断した上で実施することが大切だといえるでしょう。
直接的にアプローチできたり、その場で購買に繋がる見込みがあるか判断できるのは、オフラインの良いところです。
オンラインは不特定多数を対象に、広くアプローチすることができるものの、質の高いリードが得られる割合は低いです。
実のところ、ホワイトペーパーのダウンロードや問い合わせなどのアクションをする見込み客は質が高い方なので、そういったリードが増える取り組みをすることが求められます。
プロセス2:リードクオリフィケーションとは見込み客を「選別」すること
見込み客を顧客に育てる段階の2つ目は、見込み客を選別するリードクオリフィケーションです。
リードクオリフィケーションは見込み客のリードに、購買の可能性があるかどうか見極めることとも言い換えられます。
購買の見込みがあると分かれば、購買行動に結びつく後押しができますし、見込みが薄ければ育成に取り組む判断が行なえます。
つまり、見込み客の獲得も大事ですが、購買に繋がるかどうかその選別も重要というわけです。
選別すれば購買の見込みが強いリードに集中的なアプローチができますし、限られるリソースを有効活用することが可能となります。
購買の見込みが薄いリードに対しいくら購買意欲を刺激しても非効率ですが、逆に購買まで後少しというリードにアプローチすれば購買が早まったり、成約がより確実なものになるでしょう。
見込みの薄いリードにはもっと他のやり方がありますから、その見極めが肝心ですし、リードクオリフィケーションにはそれだけ重要性があるのは明白です。
選別というとあまり聞こえは良くないかもしれませんが、アプローチすべきかどうかの判断、どのようにアプローチするか判断するリードの分類ともいえます。
情報の重要性
選別にもやはりデータが重要で、どういった商品やサービスに関心があるか、何を重視していて予算はいかほどかといったことを知っておく必要があります。
情報が限られ不足している見込み客は、まだ積極的にアプローチすべきではないリードと判断できます。
そういうリードには購買を促進するアプローチではなく、情報を取得するアプローチ手法が適しています。
見込み客に関する情報が出揃っていて、データが十分に集まっているリードについては、今後のアプローチを判断する選別の対象となるでしょう。
選別のやり方や判断は企業の考え方だったり、リードクオリフィケーションの方向性にもよるので、絶対的な基準があるわけではないです。
基準の構築
基準の構築もまた、リードを顧客に育てるプロセスの中で、少しずつ明確化していく必要があると思われます。
基準を明確にして選別の精度を高めるには、過去の購買行動からそれまでの顧客の傾向を分析して活かすのが効果的です。
どのような属性のリードが顧客になったか、その傾向を知るだけでもかなり選別がやりやすくなるでしょう。
リードジェネレーションがユーザーの発掘に比重を置くのに対し、リードクオリフィケーションでは分析やシナリオの設計が重視されます。
その間に見込み客の育成があるわけですが、いずれも目的や手法は異なりますし、段階的にステップを踏みプロセスを経なければ次に繋がらないです。
改めて考えると当然ですが、リードクオリフィケーションで選別を行うと見込み客が大幅に減少します。
それだけに、リードクオリフィケーションを行うまでに十分な見込み客の獲得と、顧客への育成が重要になってきます。
リードジェネレーションとリードクオリフィケーション
見込み客が絞り込みで大幅に減るリードジェネレーションを行う理由は、営業部門の負担を減らし、集中的かつ効果的な活動を実現することにあります。
数撃ちゃ当たるという考えで闇雲に営業活動をすれば、成果が出なかったり営業部門が疲弊してしまいます。
営業部門の人員が限られればその分1人あたりの負担が増えますし、そうなると営業の効率は低下して余計に成果が出にくくなるでしょう。
悪循環を避けて効果を高めるには、アプローチする見込み客を選別するリードクオリフィケーションが欠かせないです。
人員が少なくてもできるオンラインマーケティングに対し、営業活動は基本的にオフラインで人が動きます。
限られる人的リソースを使って成果を出す必要があるわけですから、闇雲にリソースを割り当てる営業活動はできないです。
購買の可能性が高い見込み客であっても、選別なしに営業部門に渡してしまえば、あてが外れて徒労に終わる恐れがあります。
リードクオリフィケーションは成約の可能性がある見込み客を選び抜くプロセスなので、営業部門は自信を持ってアプローチすることができるでしょう。
全くの無駄にならないとしても、購買に至らない営業活動が時間や人的リソースのコストをロスすることになるのは間違いないです。
購買意欲が不十分な見込み客に対するアプローチは、必要以上にコストが掛かるばかりか、積み上げてきた関係を壊してしまうリスクがあります。
それが分かっていてアプローチするのは非合理的ですし、合理性を考えて取り組むマーケティングに反します。
そもそも、営業活動は営業部門にも顧客にもコストが高く、リスクも決して無視できないものです。
営業担当者に接触するリードの半数以上が、接触前にインターネットで情報を集め調べている時代ですから、的外れの中途半端なマーケティングは失敗の可能性を強めます。
リードクオリフィケーションの選別は、見込み客を顧客にするアプローチの切っ掛けだけでなく、アプローチを行う企業自身を守ることにも繋がります。
正確にいえば企業に対するリードの期待を裏切らずに済んだり、今まさに欲しい情報が的確に提供されたという、顧客の満足度に繋がる行動の指標となるわけです。
見込みの薄いリードへのアプローチは却って購買の可能性を下げたり逆効果になる、その理解があればリードクオリフィケーションの重要性の理解も難しくないはずです。
リードクオリフィケーションのやり方
リードクオリフィケーションのやり方は、基準と同様に企業によって様々ですが、一般的にはスコアリングで判断されることが殆どです。
例えばメールマガジンの受け取りや開封なら5点、展示会やセミナーの出席なら15点といった感じです。
後は該当する項目のスコアを加算していき、合計点の高い方から選別していくといったやり方をします。
一定以上の合計点で購買の見込みがあると判断することもできますし、相対的に上位の見込みが強いと判断することも可能です。
ただし、インサイドセールスからフィールドセールスにシフトすると、急に身構えて警戒する企業も少なくないので注意したいところです。
どうアプローチするかについてもシナリオの設計が重要ですから、スコアの設計や基準の設定と同様に、しっかりと考えて構築しておきたいものです。
プロセス3:リードナーチャリングとは見込み客を「育成」すること
リードナーチャリングは見込み客の育成を行うプロセスで、リードに有用な情報を提供して関係を構築する段階にあたります。
情報の提供には電話やメールに各種のデジタルツールが活用可能で、目的としては購買意欲の醸成にあるといえます。
問い合わせや資料の請求などで情報を求めてくるリードは、少なくとも商品やサービスに興味を持っています。
そのアクションを切っ掛けに情報を提供したり、購買意欲の確認を行うのがリードナーチャリングで、購買のアプローチを判断する選別の判断材料にもなります。
リードナーチャリングは、発掘されたユーザーを潜在顧客、見込み客にして営業活動に繋げるプロセスです。
ダイレクトメールによる情報提供も有効ですし、セミナーやリターゲティング広告も活用できるでしょう。
このプロセスにおける育成こそが購買をより確かなものにするので、重要性は言うまでもないです。
しかし、積極的過ぎるアプローチはリードを引かせてしまいますから、距離感が重要になってきます。
情報を提供するチャネル、頻度やタイミングも考えなくてはいけないので、実はかなり難易度が高いです。
正確かつ質の高い見込み客の育成を行うには、属性などの情報とこれまでのアクション、興味の移り変わりなどの把握が不可欠です。
欲しい時に欲しい情報が提示されれば、見込み客は自分のことを分かっていると思いますし、情報提供に満足感を覚えることになるでしょう。
ところが、興味からずれている情報の提供だったり、タイミングが的外れだと、見込み客は気持ちが離れてしまいます。
それだけ判断が難しく判断材料の重要性が増しますから、リードナーチャリングにはしっかりとしたアプローチの土台作りが必要です。
既にリードが手にしている情報を把握できれば、次に何を求めるかが予測できますし、ページの閲覧などのアクションから最適なアプローチとそのタイミングが計れます。
いきなり営業部門がアプローチしてリードを驚かせてしまうこともないですし、自然な流れでリードの選別に繋げることができます。
リードナーチャリングは一見すると新規の見込み客を対象としたプロセスだと思いがちですが、既存の顧客のフォローにもなります。
継続的な情報の発信がポイントで、興味を持たせて育てることもそうですが、興味が薄れたとしてもリードとの関係を保ち続けられます。
休眠状態の顧客にも情報が届きますから、また興味を持った時にその情報を手掛かりに購買意欲を高めてもらえます。
マーケティングは企業が諦めなければ、顧客が関係を完全に断ち切らない限り、接点が失われることはないです。
つまり関係を継続させたり、次のチャンスを逃さない意味でもリードナーチャリングは重要です。
オンラインツールの活用
見込み客と一口に言っても、リードによって興味のある商品やサービス、その程度には差があります。
知っている情報や知識量もそれぞれ異なりますし、抱える課題だったり何を求めるかも様々です。
それと、肩書のような属性も見込み客によりますから、決裁権を持つかどうかも重要性が高いです。
これらから分かるのは、リードナーチャリングは相手に合わせて的確なアプローチをすることが大切で、それにはリードを良く知る必要があることです。
現代のマーケティングは、メールマガジンであっても画一的な内容ではなく、リードのこれまでのアクションに合わせて内容やタイミングを変えるのが普通です。
それは興味があると思われる商品を提案するネットショッピングのイメージに近いですし、やはり見込み客の過去の行動から次の手を考えるやり方ととても似ています。
遠隔で営業活動を行うインサイドセールスも、実はリードナーチャリングと相性が良いです。
インサイドセールスは電話やメールが主流でしたが、近年はオンラインツールの活用が活発化しています。
Web会議ツールもその1つですから、段階的に購買に繋げるリードナーチャリングによる見込み客の育成手法として、検討の価値があると思われます。
インサイドセールスの切っ掛けになるのもやはりリードのアクションで、資料の請求があれば資料に目を通したかどうか、興味深い内容は合ったかなど確認して話を次に繋げられます。
これはなにも資料の請求に限られませんし、電話による問い合わせやWebサイトの閲覧も切っ掛けになります。
同じような情報を何度も確認している様子が窺える場合は、何か欲しい情報はないか、質問したい疑問はないかと尋ねられます。
他にも、購買に踏み切ることができない懸念などがあるのか確認したり、その懸念を取り除くお手伝いをすることも1つの方法です。
見込み客を手放すと他社の顧客になる
リードナーチャリングの育成は、情報をただ一方的に発信するのではなく、状況に応じてこちらから積極性を見せることも必要となります。
リードナーチャリングに絶対的な成功の方程式はなく、試行錯誤している企業が殆どでしょうが、しかし取り組む価値と重要性の高さがあるのは確かです。
企業の購買が厳格になり、慎重に検討に検討を重ねた上で購買を決めるケースが増えています。
インターネットで情報が手に入りやすくなったこともあって、押すだけの営業活動で購買に至らなくなっている時代です。
情報が得られるチャネルが増えたことも、リードナーチャリングによる育成が必要になったり重要性が増した理由です。
“関心が薄れて情報をフォローしなくなった見込み客の実に8割が、2年以内に競合する他社から購買している”というデータがあります。
育成を放棄してリードナーチャリングに力を入れなくなれば、リードを育てて購買に繋げるチャンスを捨て、競合他社に差し出しているのと変わりがないわけです。
競合他社の利益になることをしてしまっていると言い換えることができますから、リードナーチャリングに取り組まない理由はないです。
見込み客を手放せば他社の顧客になってしまう、そう考えると危機感を覚えるはずです。
2年は長いようで短いですし、確かに育成の観点でいえば長く感じられますが、リードを失い他社の利益に変わってしまうのはあっという間です。
だからこそ、リードナーチャリングは軽視できませんし、それこそ獲得以上に力を入れることが必要です。
最新の投稿
- 商談・営業手法2024年4月30日成功した企業のリテンション改善戦略をご紹介!具体的な事例と成功の秘訣は?
- 集客・マーケティング2024年4月25日オウンドメディアの重要性!ブランド構築と顧客関係強化の鍵は?
- 商談・営業手法2024年4月20日オプトアウトの意味とは?顧客が選択権を持つ重要性を解説!
- 集客・マーケティング2024年4月15日企業ブランディングの戦略と手法を解説!成功を導く具体的なアプローチとは?