営業マンの業界知識の学習スピードが上がる
知識が重要となる専門的な業界においてメリットが大きい
BtoBマーケティング施策の1つアカウントベースドマーケティングのABMには、注目を集めている複数のメリットがあります。営業マンの学習スピードに影響するのもその1つで、特に知識が重要となる専門的な業界においてメリットが大きくなります。ABMは業界を始めとして、業種や職種に企業の規模などでターゲットの絞り込みを行います。営業マンは特定の業界、業種で長年にわたり活躍していると、その業界や業種が抱える課題に気がつきます。そしてそれは特定の会社で見えた課題が、共通する同じ業界、業種の他の企業にも通じるものということが分かります。つまり、営業マンが業界知識を身につけることができれば、顧客が抱えている課題にいち早く気がつき、的確な提案ができるようになるわけです。ABMはまさに営業マンに求められている学習スピードの向上に寄与するもので、特定の業界や業種に強い営業活動の実現に繋がります。優良な企業に適したマーケティング施策を行うABMは、対象の企業に効率の良いマーケティングをするためにありますが、このように学習スピードのアップが図れるのが魅力です。そもそも、ABMの実践には業界知識が不可欠で大前提となりますから、本気で取り組めば自然に学習スピードが上がります。学習が習慣化することで新しい知識を身につけるのも苦になりませんし、むしろ自信がついて営業活動に身が入るようになります。
ABMは潜在顧客、見込み顧客ではなく優良顧客になる可能性がある候補の中から企業が選ばれます。そのターゲットに的を絞りアプローチする手法ですから、当然ながら対象が知っている知識を身につけることが前提です。しかし、担当の営業マンはターゲットに対するアプローチに専念できるので、必然的に企業のことを調べに調べ抜いてどのような課題を抱えているか知ることになります。そうした取り組みの中で、効率的かつ効果的なアプローチを考えることになりますから、施策には業界知識が必要でしかも重要性が高いことが理解できます。ターゲットを業界や業種で絞り込んでアプローチする以上、学習を続けなければいけないのは当然ですし、学習の手を抜けば簡単に知識に遅れが生じて営業活動が難しくなります。だからこそABMに取り組む営業マンには業界知識の継続的な勉強が必要で、ABMの導入と実践によって学習スピードが上がる結果に至ります。勿論、導入して満足しては意味がありませんし、営業の成果が上がらないばかりか導入コストの負担が手元に残ることになるので、満足せずに継続的に取り組み続けることが大事です。
抱えている課題の理解や解決に必要な提案を行うための知識が重要となる
営業マンの学習スピードが上がることが注目を集めますが、営業担当以外も施策に関わるマーケティング手法なので、実際にはABMに関わる全ての人の業界知識のレベルが上がります。ターゲットの情報を集めたり分析する中で、抱えている課題の理解や解決に必要な提案を行うための知識が重要になりますから、ABMを導入して学習を始めれば誰でも成長できます。言うまでもありませんが、成長のペースや伸び率には個人差がありますし、本人のモチベーションが低くてやる気がなければすぐに限界が見えます。実際に伸びるかどうか、伸びしろがあるか否かもABMの導入で見えるようになるので、営業マンのパフォーマンスを測るベンチマークにもなります。ABMは大企業向けで売上の最大化を目指すものですから、優良顧客になり得る企業を担当して結果に繋げられる人材に営業が任せられるのは当然です。となれば、学習意欲を含めてどこまで伸びるか分かるABMの導入は理に適っていますし、合理的で無駄がなく効率化を図れるのも頷けます。
ABMには顧客育成のプロセスは殆どなく、ほぼ直接的にアプローチを掛けることになりますから、業界知識のない営業マンが担当するのは論外です。確かにリードマーケティングよりは受注、成約に至るまでの道のりは長く、顧客には焦らずじっくりと検討を進めてもらう形となります。しかし結論が出るまで検討を続けてもらうこと、そのために定期的にアプローチして忘れられないようにする必要がありますから、担当の営業マンには業界知識が不可欠です。業界知識があれば顧客に対して細かく対応できますし、課題の指摘や問題解決の提案といったアプローチもスピーディーかつ的確に実行できます。ABMはそれ自体が投資効果に期待できる施策で、長い目で見て検討して導入したり運用するだけの価値があります。あくまでもそれはメリットの1つに過ぎず、実は導入や運用において他にも様々なメリットがもたらされるわけです。学習スピードも1つといえば1つですが、メリットとしては決して小さくありませんし、ターゲットに関連する企業にアプローチが図れる応用に繋がるので、得られるメリットは大きいです。
営業マンの成長=企業の営業活動の加速
営業マンの学習効率が上がり知識が増すABMは営業マンの成長、ひいては企業の営業活動の加速に繋がります。知識不足で満足な対応ができない営業マンはいなくなり、戦力として活躍できる人材ばかりとなるでしょう。そこに効率的で効果に期待が持てる施策が組み合わさるわけですから、営業効率が上がり営業部隊が企業にとって自慢の部隊になるのも時間の問題です。全体的な底上げや平均レベルのアップになるので、知識不足の人は周りを見て焦り始めますし、刺激を受けて自分も知識をつけようと努力するようになります。ABMを導入すると、企業組織に良い刺激が与えられて好循環が生まれ加速しますから、軌道に乗ると面白いくらいに目に見えて成果が上がるでしょう。ただし、軌道に乗るまでには時間が掛かるので、結果ばかりを求めて焦ってすぐに良し悪しを判断しないことです。軌道に乗ってからは循環のスピードが上がり速くなりますから、それまでの辛抱ですし、軌道に乗せる努力が求められます。本格的に軌道に乗ると、ターゲットに対して抱える課題の悩みに寄り添ったり、解決を提案できるのは自分という自信を持ってアプローチを掛けられるようになります。自信は自信でも空回りしたりただひけらかすだけでは駄目ですが、信頼や魅力を感じさせる営業活動をすることができれば、長期的に利益がもたらされる関係を構築するのも夢ではないです。
マーケティング担当者の業務リソースが削減できる
ABMは膨大なターゲットの中から候補を絞り込み、アプローチを掛ける手法なので、マーケティング担当者の負担が軽減できます。使う業務リソースが減って余力が生まれますから、特定のマーケティングに集中できますし、注力して成果を上げることが可能となります。ABMのマーケティング施策は、対象に特化したアプローチが基本ですから、リソースを節約しながら効率的な施策が実施できるのも納得です。成約に至りそうな企業から順に、優先順位に基づいてアプローチするので、営業だけでなくマーケティング担当者も自信を持って取り組むことができるでしょう。これも営業もそうですが、マーケティング担当者もリソースに余裕があるわけではなく、また成約の見込みが薄い顧客にもリソースを割いている現実があります。業務リソースの削減は決して簡単ではないですが、かといって改善を先送りにして放置し続けるわけにもいかないです。結局は人員を増強したりマーケティング手法を見直すことになるので、コストが掛かりますし見直しに労力も要します。今まで長年にわたり活用していた手法を切り替えるのは難しいですし、それこそ結果がでなかったらと考えると不安になるのも当然です。
ABMの良いところ
ABMの良いところは、マーケティングの方向性が明確でシンプルなことに加えて、洗練されることで無駄が減って業務リソースの削減に結びつくことです。スイッチを切り替えるように容易に入れ替えて即運用が始められるわけではないですが、少なくとも業務リソース不足の悩みが解消する可能性が高まるのは見逃せないメリットです。それと、運用が軌道に乗れば無駄が減ることでコストも下がっていくので、企業の収益性改善の期待も高まります。人員が不足していたり、1人あたりの業務量が多いと大変ですが、誰かがやらなければいけませんし、一部に遅れが生じればマーケティング施策全体に影響が及びます。しかし、誰かを責めたところで業務リソース不足が減るわけではなく、離脱が発生して余計に状況が悪化することにもなり得ます。ABMが導入されている状況下では、マーケティング担当者1人1人の業務リソースが削減されるので、遅れが生じにくくなり余裕が出てきます。結果に期待が持てるターゲットに集中できたり、ミスも減ることになりますから、良いこと尽くめで売上的な利益以外ももたらされる結果となります。利益ばかりを追求すると、マーケティング担当者の負担が疎かにされてしまいがちですが、負担を軽減しようとすれば今度は利益の追求が難しいです。
ABMはこれらを両立できる優れた手法なので、導入を検討しない手はないといえるでしょう。
マーケティング担当者の業務リソース削減が注目を集めますが、削減されるのは営業も同様です。ABMは非効率的かつ無駄が多い営業活動を否定するものですから、マーケティングと営業と問わず無駄が減り効率が上がります。薄利多売の業態のお店は、とにかく数を売らなければ利益を確保できませんが、ABMはその正反対にあるイメージです。単価の高い顧客に的を絞り営業を掛けるので、厚利少売で無理なく利益を確保することができます。1日中休みなく働き続けるやり方ではなく、賢く効率を考えてアプローチしますから、関わる全ての人の負担が減ります。リソースには限りがある以上、むやみに消費することはできませんし、予算にも上限がありますから、人員を増強しようにも限界があります。そう考えると行き着くのはABMのような考え方で、効率を高めることでコストを掛けてリソースを増やさずに済む状況を作り出すことでしょう。購買プロセスは変化するものですし、マーケティングや営業活動も変化に合わせて対応する必要があり、そうしなければリソース不足が発生するのは必然なので取り組み方を見直すべきです。
使えるリソースが浮いて見直しができる
一旦現状のマーケティングを止めると、使えるリソースが浮いて見直しができるようになります。人はやり方を変えるのが苦手な生き物で、特に同じやり方を続けていると惰性で続けてしまいがちです。漕ぐ足を止めない自転車と同じで、タイヤが回り前進は続けるものの、一方では効率的で疲れにくい漕ぎ方を考える余裕を失っています。マーケティング担当者は本来、効率的な施策を考えて実施するのが仕事のはずですが、業務リソースに余裕がないと効率化するはずができず本末転倒となります。そんな状況を打破するのに役立つのがABMで、本来の仕事にリソースが回せる余裕が生まれます。見込み顧客を育成するマーケティング手法は、リードの獲得や育成に何かとコストが掛かりますし、あれもこれもやらなくてはいけないので疲弊しやすいです。ところが、ABMは顧客として見込みがあるターゲットを探すこと、営業を掛けることにリソースが割けるので、疲弊するようなやり方から解放されます。効果を最大化するには対象の選び方、高単価な商品やサービスといった条件がありますが、そうした条件をクリアしている企業にはまさにABMが狙い目です。
マーケティング担当者が疲弊する理由の1つには、仕事でやることが多いにもかかわらず、ゴールが見えにくくてどこをどう目指せば良いのか分かりにくいという理由もあります。ゴールの形や場所が不明瞭だと暗中模索もできませんし、マーケティング全体を俯瞰して見ることができなければ、目の前の業務に集中する他ないです。しかも、結果が出せずに指摘されても実感が湧きませんし、目標を達成しても同じく実感に乏しく、自分はどのように貢献したのか分からないままです。ABMのように、アプローチするターゲットを明確にすることができて、何に取り組むべきかも分かりやすい方法は、何だか良く分からない状況を変えてくれます。マーケティングに従事する1人1人が自分の役割、取り組む業務を把握できるので、無駄が減って業務効率も上がるわけです。まさしく合理的という一言に集約されますし、表現としては十分に的確で他の言葉は必要としないでしょう。無駄な業務が減れば時間が生まれますし、その時間を業務知識の学習に取り組むといった更なる効率化に繋がることに使えます。
顧客ごとに最適化されたマーケティング活動が行える
ABMはターゲットを顧客としてニーズを汲み取り、案件をカスタマイズして実施するのが特徴です。ターゲットが抱えている課題と、課題の解決に応える提案が顧客に合わせてカスタマイズされているので、ターゲットに響いて関心が寄せられることになります。特定の業界や業種に特化するよりも更に特化型なので、まさに顧客ごとにマーケティング活動を行う形ですし、最適化されたアプローチ方法で結果に対する期待を高めることができます。マーケティング活動の最適化では、ターゲット顧客の顕在化されているニーズだけでなく、潜在的なニーズも汲み取ることが必要です。顕在ニーズはターゲット自身も理解しているので、指摘されても驚きませんし、提案についてもインパクトに欠けると思われます。しかしまだ気がついていない潜在ニーズの指摘と提案ができれば、驚かれるはずですし喜んでもらえると考えられます。このようなマーケティング活動を行うのがABMで、効率的にできることがメリットだといえるでしょう。最適化するプロセスにおいて、顧客の理解が深まり的確なマーケティングができるようになるので、ABMの真価が発揮されると本当に強力です。
MAツールのマーケティングオートメーションとの相性が良い
最適化されたマーケティング活動が可能なABMは、いわゆるMAツールのマーケティングオートメーションとの相性が良いです。具体的にはターゲット単位で情報や施策の管理ができること、マーケティングと営業の間で情報共有が実現するなどが理由です。バラバラに管理されている情報が統合できたり、営業活動や商談などの状況も共有できますから、部門間の連携が強固になり更に顧客ごとの対応の最適化が進みます。効率の良さと成果の出やすさがABMの注目を集めている理由の1つですが、これらの背景にあるのが最適化です。特定のターゲットに拘り、一途に攻略のための戦略を練り上げてマーケティング活動を実施するというと語弊がありますが、集中的な取り組みが行われるのは間違いないです。他のマーケティング手法だと他社に割かれるリソースが、ABMではターゲット顧客に集約されるわけですから、徹底的と言っても過言ではないでしょう。獲得したリードの対応に追われるような状況もABMには無縁で、浮いたリソースは全てターゲット顧客に注ぎ込まれます。だから最適化といわれていますし、自信を持ってアプローチできたり、売上を達成するばかりか最大化も目指せるわけです。
業界や業種が同じで会社の規模が近くても、顧客によって抱えている悩み、解決したい課題は異なりますが、画一的にアプローチできない悩みに応えてくれるのがABMです。最適といえるマーケティングの実施には、前段階に対象の分析やニーズの汲み取りがあるので、最適化しようとするとターゲット顧客単位で対応せざるを得ないのは必然です。優先順位をつけて対応したり、候補を絞り込んで根気良くアプローチすることも、最適化が鍵を握っているABMならではです。ABMでアプローチをすると、相手の目には話をよく聞いてくれて課題を解決するために熱心に提案してくれる、頼りになる相談相手に映るでしょう。提案された商品、サービスに満足できれば信頼性が上がりますし、信頼が揺るぎないものになれば、課題に直面した時に真っ先に相談する相手となるはずです。営業担当との距離も縮まりますから、ニーズをいち早くもっと素早く汲み取ることができるようになります。売上の最大化とそれに繋がる最適化は、こういった取り組みと好循環が生まれることで自社の利益の拡大、安定化に結びつきます。アプローチを最適化すれば、より単価の高い商品も売りやすくなりますし、サービスの利用契約などの成約率も上がるので合理的です。
ターゲットの選定が重要
特定のターゲット顧客にリソースを費やすので、ターゲットの選定が重要なのは言うまでもなく、ここで失敗すると躓いて後に響きます。当然、候補をリストアップして分析や比較検討をすることになりますし、成約や利益の最大化が最終的な目的なので、それらが見込めなければ候補から外れます。商品の販売であればリピートの可能性、サービスの契約であれば長期契約の可能性も考慮されます。また、アプローチする対象が決まっても、不自然なコンタクトを取ると不審に思われてしまうので、警戒させず自然な形で関係を構築できるコンタクトポイントを考える必要があります。こういう努力や工夫の先に売上の拡大や事業の安定性が待っていますから、最適化は地道な作業ですし決して楽ではないです。とはいえ、ターゲット顧客が成約に至りリピーターになれば楽になりますし、長い付き合いになる関係性を発展させられる可能性も出てきます。最適化の結果がどのような形になるか、効果の大きさなどはまた別の話ですが、最適化に取り組みやすく成果に期待ができるのは確かです。仮にもし成果が出ず失敗に終わってしまっても、原因を分析して次に活かせるので、無駄になりませんし毎回何かしら得られるものがあるでしょう。
ABMの最適化は顧客選びもそうですが、最適な商材をベストと思われるタイミングで提案できるのが強みです。効果的なアプローチができるかどうかは選定の段階で分かりますし、ABMの有効性や効果が見込める相手に的を絞るので、正しく運用すれば失敗を避けることができます。本当に困っている時に差し伸べることができたり、喜ばれる提案ができるわけですから、成功に期待できない理由はありませんし、むしろ失敗を恐れずにアプローチする勇気が持てます。失敗すらも糧になる上に、次の挑戦の成功率が上がるので、成功が約束されているマーケティング手法といえます。ただ、営業担当が突っ走ろうとしたり、マーケティングが勇み足でお互いの連携が図れない状況では効果も発揮されないです。チームワークが物を言いますから、足並みをそろえて取り組むことが成功の大前提となります。他にも相手を選ぶことや強みのある商品、サービスを持っていること、改善を図るサイクルを回すといった条件もあります。そうして最適化に磨きを掛けた先に成功がありますから、結局のところABMは使いこなしですし、使いこなせる企業にとって強力な武器になるでしょう。
顧客へのマーケティングの結果が追跡でき、効果の分析も簡単
ABMを導入すると顧客へのマーケティング効果が把握しやすくなり、また追跡によって施策の効果分析も容易になります。膨大なリードを獲得してアプローチするマーケティングとは違い、ターゲットを厳選して注力できる強みがここでも生きてくることが分かります。施策が効果に反映されるのが早く、測定や分析がすぐに行えるので、PDCAサイクルも効率良く回せます。1つのターゲットに時間を掛けて分析をしたり、改善して次の手を決めることができますから、PDCAの1回あたりのサイクルの改善度も向上するでしょう。高速に回るPDCAサイクルに容易な施策の成否の判断が加われば、ノウハウは蓄積の一方ですし、失敗すらも力になるので恐れずに済みます。失敗を避けるポイントが分かるようになり、成功率が向上して自信も増しますから、顧客へのアプローチに積極性が生まれます。こうした合理的で無駄のないマーケティングが可能なABMは、最適化が進めば進むほど他の追随を許さない企業に進化させてくれます。効果が出てもまだまだ改善の余地が見つけられるので、満足せずに更なる売上を追求できますし、幅広く様々な商品、サービスを扱っている企業であればその期待は高まる一方です。
ABMが向いているのはBtoB
ABMが向いているのはBtoBで、個人向けではなく企業向けの商材を扱っていて、単価が高くて売上を上げる余地がある企業です。商談の担当者と比較的簡単に接触できるBtoCは、ABMの強みが十分に発揮されませんし、元々個人向けではないので他のマーケティング手法を検討するのが無難です。その点、BtoB企業にとってABMは営業を掛ける部署が複数に分かれていたり、商談までに時間が掛かる企業を相手にする場合に適しています。BtoBにおいて真価が発揮されるのがABMなので、企業にアプローチを掛けるマーケティングが導入の前提になります。必然的に大手企業をターゲットに設定することになりますから、中小企業にマーケティングをしたい場合や、新しい企業を発掘してアプローチするのには向かないです。既存でしかも効果が見込める大手企業となると、候補が限られてしまい面白みに欠けると感じるかもしれませんが、そもそも戦略的に着実な手で結果を掴む手法なので当然といえば当然です。企業によって確かに向き不向きはありますが、ABMの導入を検討してみる価値はありますし、導入に至らなくても考え方に参考にできる余地があるでしょう。
ABMはその性質上、単発で商材を販売する企業よりも、アップセルやクロスセルの売り方ができる企業にマッチします。というのも、ABMは商談に持ち込み成約を掴み取るのがゴールではなく、その先にある売上の最大化を目指すもので、売るものがなければチャンスが無駄になってしまうからです。折角より高い商品が売れそうな状況になっても、上位の商品がなければ売れませんし、関連性のある商品のラインナップが乏しくても同様に、売れる商品がなければ売上に繋がらないです。この点、アップセルやクロスセルができる企業はABMを活用できますし、過去最高の売上を叩き出すのも不可能ではないでしょう。売り込み方が結果を左右するのは当然ですが、効果の分析が簡単なABMなら問題はないはずです。中長期的な関係を築いて段階的に高い商品、関連する商品を紹介して効果を測定、上手く売ることができれば着実にもっと売上が目指せます。アップセルもクロスセルすらもない企業には、もっと他に合っているマーケティング手法があるはずなので、導入するマーケティング施策を見誤らないように気をつけたいものです。
最適と思われる提案をしてその結果を測定するサイクルで運用できる
ABMで分析できるのは顧客の動向と効果で、動向に合わせてニーズを汲み取り、最適と思われる提案をしてその結果を測定するサイクルで運用できます。勿論商品やサービスに満足してもらえているかどうか、商品やサービスに触れたことでニーズにどのような変化が起こったかなども速やかに把握できるでしょう。単発のマーケティングだけでなく、連続した繰り返しのマーケティングにも向いているので、繰り返し商品を売り込みたい場合に結果の追跡のしやすさや効果の分析の容易さが発揮されます。ただABMは商談の単価が高いこと、市場に存在する想定される顧客が少ない時にも強みを発揮します。この場合は同じターゲットに繰り返しアプローチするよりも、同じような異なるターゲットにアプローチする際にメリットがあらわれます。高額な商材の商談で失敗すれば後がない、そういう状況においては失敗と得られる分析結果の活かし方が変わってきます。リードの獲得と顧客の育成がない分、工数は少なくなりますが、ターゲット選定とその後のマーケティングのカスタマイズ、アプローチという流れなので結局はあまり変わらないです。効率良くサイクルを回せるかどうかは、経験と失敗から得られたノウハウに基づき確立された自社のやり方があるかどうか、過去に成功した実績がどれだけあるかなどです。
いくら理想的で無駄が少なく合理的なマーケティング手法でも、適材適所がありますし使いこなせなければただ使いにくいだけになります。結果の追跡や効果の分析が活かせるのは、顧客生涯価値の高い企業を捉えることができたり、顧客単価が大きくて対象となる顧客が限られている企業です。それから顧客関係管理システム、MAツールが導入されていることも、活用の条件となりそうです。これらのシステムやツールがなくてもABMに取り組むことはできますが、中途半端な形になるので効果の半減は避けられないです。追跡した結果、分析した効果をどう活かすかが肝心なので、ABMの導入をゴールと捉えて満足するのではなく、スタートラインと捉えて活用方法を追求したいところです。ABMツールはターゲットの企業選定から顧客の管理までサポートしてくれるので、スムーズに導入できますし、かなり施策に取り組みやすくなるでしょう。収益からの企業の分析やカスタマイズしたアプローチの管理も任せられますから、メリットを活かす自信があって効率的に取り組みたいのであれば、ABMツールの導入検討がおすすめです。
営業との連携が簡単でインサイドセールスの成果が上がる
マーケティングと営業部門が最初から連携して取り組めるABMは、連携が簡単な上にインサイドセールスの成果も上げることができます。本来、マーケティングはマーケターと営業担当が緊密に連携して協力しながらターゲットにアプローチするのが理想です。ところが不思議なことにマーケティング部門の見込み顧客リストを営業部門が軽視したり、独自に営業を掛けるといったケースは珍しくないです。このように連携が乏しい企業だと、ABMを導入しても活かせるかどうかは難しいところですが、連携がしやすいのは間違いないので、上手く導入すれば連携力が高まるはずです。顧客が主役でそこに主軸を置くABMは、連携なしに成約の見込みがある顧客の洗い出し、アプローチのカスタマイズに取り組むのは難しいです。マーケティングと営業にはそれぞれ異なる仕事がありますが、共有できる情報が多かったり、お互いの不足を埋めあえる関係なのは間違いないでしょう。そしてそうした部門間で連携する関係の構築、運用方法を確立することができれば、インサイドセールスの成果も上がっていくことになります。部門間の対立や成果の取り合いには意味がありませんし、ABMを導入するならこの点をクリアしておく必要があります。
少ないリソースとコストで最大の売上を追求することができる
ABMの数ある導入事例においても、部門間の連携と顧客情報の一元化によって、インサイドセールスの成果が上がったというケースは珍しくないです。ターゲットに的を絞ってアプローチするわけですから、対面的なアプローチ方法に限らず、セールスの成果が上がるというのは頷けます。足並みが乱れるとアプローチにブレが生じますし、ABMのメリットのリソース削減、コスト削減が実現しなくなるので注意です。連携が強化され協力しあえる関係ができあがっている企業であれば、少ないリソースとコストで最大の売上を追求することができるでしょう。セールスの成功率も上がりますし、施策の結果や分析結果のノウハウの蓄積も進むので、関係性や連携力は強化されていく一方です。営業部門だけでなくインサイドセールス部門にも利がありますし、連携する部門が増えていけば、企業組織全体の強化にも繋がります。少なくとも、マーケティングと営業部門の連携は不可欠ですし、ABMなら簡単でインサイドセールスにも良い影響があるのは確かです。営業担当は顧客と接触する大事な役割を担いますが、マーケティングにはアプローチを掛ける判断が求められますし、連携が重要なABMがどちらか一方が欠けても成り立たないのは明白です。
ABMはいわゆるデマンドセンターとの相性が良いことで知られています。デマンドセンターはマーケティングやインサイドセールスを包摂している部門で、顧客育成から購買意欲の促進、効率的な営業と一貫した体制で成約率を上げられるのが特徴です。成約の見込みが的確かつスムーズに判断できたり、見込みのある優良な企業に集中的なアプローチを図ることが可能になります。分断されやすい部門が統合されますし、一箇所にまとめることができるので、効率を高めながらコスト削減が図れます。営業部門はデマンドセンターに含まれませんが、デマンドセンターの強みを活かすために、近い距離で連携することが求められるのは間違いないです。ABMは、情報共有やスムーズな判断、その他のツールとの連携力で部門内と部門間の連携をサポートしてくれます。実際のところ、マーケティング手法としての導入だけでなくツールも導入して運用することで、これまでのマーケティングの課題が解決したり、効率化の実感が得られるでしょう。ツールを含めて導入すれば、スムーズに導入できて運用もスムーズに始められます。
インサイドセールスの重要性は増している
ABMとインサイドセールスは、ある意味で切っても切り離せない関係にあるといえます。ABMはMAが普及したことで注目されるようになったわけですが、それはターゲットに的確なアプローチができて、効果も測定しやすいからです。一方、インサイドセールスは見込み顧客に電話とメールなどの方法でアプローチするやり方で、近年はオンライン会議ツールも活用されています。非対面による営業活動を行うインサイドセールスは、従来のアポなし訪問などの営業に取って代わる方法です。アポありでも訪問営業に負担を感じる企業が多くなっている昨今、非対面で営業活動をするインサイドセールスの重要性は増しています。営業活動で訪問がしにくくなった以上、ターゲットに最適化されたアプローチをするには、インサイドセールスの力を借りることが不可欠です。インサイドセールスもまた、ABMの力を借りることで的を絞った営業活動ができますから、お互いがお互いの良さを引き出せる関係だと分かります。どちらかが欠けると失われるものは大きいので、切っても切り離すことができない関係というわけです。
ABMがあることで、営業部門は成約の実現が高まった状態での営業、インサイドセールスは顧客との関係強化、購買意欲の促進が効率的に行えるようになります。それぞれがABMとの間で連携することができますが、フィールドセールスによる営業部門とインサイドセールス部門の間でも連携を図ることが可能です。そしてやはりABMの存在が関係の強化を促進して強固にしてくれますし、分析や判断に役立つ価値ある情報の共有、最適化された状態での営業活動が実現します。部門間がお互いの役割を理解して尊重していたり、良好な関係が築けていることが前提ですが、連携を図ること自体は簡単です。形だけ連携しても実質的に反発しあっていては効果があらわれませんし、インサイドセールスの成果も上がらないことになります。実際に上手く運用できるかどうかはABMを導入してみれば簡単に分かりますし、問題があれば表面化するので、改善に取り組むヒントが得られます。この組織に隠れている問題を洗い出すことができるのも、メリットの1つだということができるでしょう。
ツールを導入するなら選定する候補の情報収集が効率的なMAツール、商談のプロセスや状況の情報が共有できる、営業支援のSFAツールとの組み合わせも検討したいところです。
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